SEKIREI 鶺鴒の間
こちらの部屋の床の間の壁紙は、鶺鴒の黒い尾の色合いと風合いのものを選んでいます。
七十二候の「鶺鴒鳴(せきれいなく)」は白露の第二候で、9月12日ごろ。鳥に詳しくない方は秋に鳴き始めるのかと思われるかもしれませんが、鳴き声は一年中、聞こえています。
セキレイは水辺を好む鳥で、古くから日本にいる身近な鳥です。『古事記』ではイザナギ、イザナミに夫婦の交合を教えた「嫁ぎ教え鳥」として登場したり、人が稲を背負って家に入る頃に鳴く「稲負鳥(イナオオセドリ)」がセキレイであるともいわれています。長い尾をしきりに上下に動かすので、イシタタキ(石叩き)、ニワタタキ(庭叩き)、イワタタキ(岩叩き)とも呼ばれていました。この動きが特徴的なので、誰がみてもすぐにわかる鳥です。セキレイの鳴き声は高く鋭いので、秋の初めの澄み渡った空に一層、響き渡るように感じられるかもしれません。
木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)は古事記に登場する天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)をお祀りしています。
非常に長い名前の神社ですが、京都人は誰もが蚕ノ社(かいこのやしろ)と呼び親しんでいます。その鳥居は三本の柱からなっており、一見の価値があります。