HIGURASHI 寒蝉の間
こちらの部屋の床の間の壁紙は、夏の終わりの日暮れ時をイメージした色合いと風合いのものを選んでいます。
「秋蝉」や「寒蝉」は現在、法師ゼミ(ツクツクボウシ)とヒグラシ、どちらにも使われる季語ですが、時期的に晩夏になってから鳴き始めるのはツクツクボウシですので、本来は法師ゼミをさしていたと思われます。
ただ日本人の感性として涼しげで切なく感じるヒグラシも、いつしか秋の季語となり、日本の七十二候ではヒグラシのルビがついています。
ヒグラシはツクツクボウシよりもだいぶ早く、7月から鳴いているのですが、「日暮らし」という名前の通り、暑い日中が苦手で、早朝か夕方、十分涼しくなってから鳴きます。そのため、薄暗いところや、涼しい時間帯の中で聴いていることが圧倒的に多いと思われます。