TANGO 端午の間
こちらの部屋の床の間の壁紙は、色とりどりの菖蒲の花をイメージした色合いと風合いのものを選んでいます。
五月五日は端午の節句であり、こいのぼりには鯉が滝をのぼって龍になるという逸話にちなんで、男の子の立身出世を願うという意味があります。
「こどもの日」として知られている端午の節供は、五節供の一つです。もともとは古代中国で行われていた菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)で邪気祓いをする行事でしたが、平安時代に日本に伝わると「端午の節会」という宮中行事になりました。さらに日本古来の田植え前の行事「五月忌み」と結びつき、田植えの前に早乙女たちが菖蒲や蓬で穢れを祓う女性のためのまつりでもありました。その後、武士の時代になると「菖蒲」が「尚武」や「勝負」につながると考えられ、男の子の成長と立身出世を願うまつりとして定着しました。
二十四節気では「立夏」。暦の上ではこの日から立秋の前日までが夏です。新緑の季節、田んぼでカエルが鳴き出すのもこの頃。七十二候では「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」になります。
端午の節句の発祥は京都の藤森神社とされています。例年五月一日から五日に藤森祭が行われますが、特に駈馬神事と呼ばれる、駆ける馬の上で曲技を披露する神事では、訪れた人々が喝采を送ります。