AKEBONO 曙の間
こちらの部屋の床の間の壁は、春の曙をイメージして日本の伝統色から薄紅色の聚楽土を選んでいます。
曙とは夜がほのぼのと夜が明けるころを言います。
清少納言の随筆「枕草紙」に、良きものの一つとして春の曙が挙げられており、そのあとに夏の夜、秋の夕暮れ、冬の早朝と続きます。
原文は「春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは すこしあかりて 紫だちたる 雲のほそくたなびきたる」
(現代語訳:春は曙(が良い)少しずつ白んでいく山際 少し明るくなって 紫がかった雲が細く流れていく)
この文で表現されている山は京都の東山でしょう。東山から日が昇る様子は現在も非常に美しい風景です。
作者の清少納言は天皇家に仕えていましたが、場所は現在の京都御所のある場所ではなく、二条城の北側にあった平安宮だったと思われます。平安宮は現存しておらずいくつかの跡地に石碑が点在するのみとなっています。